GoogleやFacebookのようなシリコンバレーの大手IT企業には、立って仕事をする文化があります。欧米諸国やオーストラリアでも「座りすぎないように」対策を取る企業が増えていて、国家主導でも施策が検討されているようです。
日本でも徐々に広まってきた「立ったまま仕事」にはどのような効果があるのでしょうか。実際にやってみた!からこそ分かる「立ったまま仕事をする効果」について解説します。
立ったまま仕事をする効果
椅子に座らずに立ったまま仕事をする効果には、以下の3点が挙げられます。
- ①生産性が向上する
- ②健康のリスクを軽減させる
- ③仕事の要点を掴むことができる
特に③の仕事の要点を掴むことについては、私が実践してみて本当に効果を実感したことでした。かの有名な「ヘミングウェイ」の考えです。1つずつ解説します。
①生産性が向上する
立ったまま仕事をした方が座ったまま仕事をするよりも生産性が向上することが分かっています。座っていると、椅子にもたれたりデスクの周りのものが気になったりするのですが、立っていると余計なものが気にならなくなり、仕事に集中しやすくなります。この背景には、早く仕事を終わらせてゆっくり座りたいと考える精神的な働きもあるのでしょう。立っている時が集中している時、座っている時がリラックスしている時、とメリハリをつけると生産性は向上します。集中と緩和ですね。
また、立って仕事をしていると眠くなりません。稀に立ったまま寝ている人もいますが・・・一般的には立ったまま仕事をすれば目が冴えます。誰にでも訪れる14時の魔の時間、立ったまま仕事をしたり立ったまま会議をしたりしませんか?周りに眠たい人がいれば立ち上がるように声をかけ、ちょっとした打ち合わせをすると目がパッチリして仕事も前に進むでしょう。
同僚とランチに出かける際、歩いている時や信号待ちをしている時に仕事のアイデアが生まれることはありませんか?座ったままではなく立った状態で頭を働かせているからだと思います。誰かと会話しながら歩く行為は、結果的に生産性向上に大きく役立つと個人的に思っています。
②健康のリスクを軽減させる
立ったまま仕事をすると、健康のリスクが軽減されるそうです。研究では、糖尿病の軽減やガンを防ぐこともできるのだとか。なって見なければ分からない検証ではありますが、座りすぎていることが健康リスクを高めているのはよく分かります。立ったままの仕事には、精神面の健康にもつながります。座ったままよりも気持ちがリフレッシュされて、悩みを貯め込みすぎなくなるそうです。
世界的に見て、日本は特に座りすぎの国とのこと。日本人が立って仕事をするメリットは大きそうです。しかし、日本は「世界一長生きの国」でもあるので、座り過ぎとは別の別の要因も多々ある気はしますが。
③仕事の要点を掴むことができる
仕事の生産性向上に近い効果かもしれませんが、立ったまま仕事をすると端的で分かりやすいアウトプットが出やすくなります。
ノーベル文学賞を受賞しているシカゴ出身の世界的な作家『ヘミングウェイ』は、立ちながらタイプライターで物語を書いていたそうです。ヘミングウェイの物語は端的で簡潔な表現が多く、文章も短く設定されていて「とてもドライだ」と何かの本で読んだことがあります。要点を掴み、伝えたい事だけを短く伝えるスタイルが読み手に考える幅を与えているのだとか。
私が立ったままでの仕事を試したのは、リモートワークの時でした。家では様々な場所が仕事場になります。ノートパソコンがインターネットにさえつながっていれば、家のどこでも、どのようなスタイルでも働くことが可能になります。会社にいる時には立って仕事をする発想が生まれなかったのですが、環境が変わると考え方も変わります。
リモートワークの時にヘミングウェイのことを思い出して立ったまま仕事をしてみたのですが、提案書が本当に端的で分かりやすく仕上がりました。実際立ったまま仕事をしてみると分かりますが、立ったままだと文章をダラダラと書く気にならないのです。メールの返事もあっさりと返したくなります。リモート会議も要点だけを話したくなります。
立ったまま仕事をするデメリット
立ったまま仕事をするとたくさんのメリットがあることは分かったのですが、逆にデメリットも感じることができました。私は昔より随分と良くなりましたがひどい腰痛持ちなので、一日中立ち続けるのはかなり辛いです。足腰が弱い人や、どこか体に痛みを感じる人は、立ったまま仕事を長時間継続しないようにしてください。
一方で、立ったまま仕事は姿勢を良くしてくれます。座って仕事をしていた時よりも、確実に姿勢は良くなりました。腰を痛めないために両足にバランスよく体重をかけるように意識していたからかもしれません。
もう1つのデメリットは、会社に立ったまま仕事をする場所がないということです。自席で立ち上がっても、ちょうどいい高さの机になるわけではありません。リモートワークが一般的となり、これからのオフィスの在り方はフリーアドレス化を中心に変化を続けていくことでしょう。オフィスのレイアウト変更の際には、ぜひとも立ったまま仕事ができるスペースを検討ください。
まとめ:立ったまま仕事をする効果とは?
立ったまま仕事をすることで、生産性が向上し健康リスクも提言する。何より要点を掴んだ仕事ができるようになります。立ったままの仕事はやってみないと実感がわかないかと思います。新しいビジネススタイルとして、これから取り入れていきましょう。