【ビジクウ】ビジネスマンの悩みを解決!仕事は楽しみましょう

マネジメントやリーダーシップ、コスト削減などビジネスにおける様々な課題/問題に悩んでいるあなたに、ビジネスのヒントをお届けします。








MENU

アウトソーシングとは?派遣との違いやメリットとデメリットをわかりやすく解説!

効率的な働き方を追求する社会で、改めて注目されているビジネスモデルが「アウトソーシング」です。

アウトソーシングは、マッチする企業には大きなメリットがあるのですが「当社ではアウトソーシングの導入ができる規模ではない」という先入観だけで敬遠している企業も多くあります。

私はコンサルティングをしながらアウトソーシングの現場に複数立ち会ってきました。立ち上げから運用まで、アウトソーシングの苦しみを一緒に経験しました。またアウトソーシングと派遣との違いが理解できずに自社にあった体制を構築できていない企業もたくさん見てきました。

当記事ではアウトソーシングの概要やメリット、デメリットを知っていただき、効率的なビジネスの助けになればと思います。

 

 

アウトソーシングが求められる背景

アウトソーシングが求められる背景

アウトソーシングは新しい働き方を創造するビジネスモデルです。アウトソーシングが単なるコスト削減でないことをまずは知ってもらいたいです。

多くの企業が社内のリソース不足、人手不足に悩んでいます。新しい社員を採用しようと取り組んでもなかなか良い人材が見つからず、人手不足の状態が続くことで既存社員への負担が増えています。

しかしながら、働き方改革への取り組みも企業として同時に進めなければならないため、既存社員に長時間の残業をさせるわけにもいきません。

働き方改革のキーワードがここまで目立たなかった時代は、アウトソーシングに積極的に取り組む企業と全く取り組む気がない企業とが二分化していました。特に中小企業はアウトソーシングに消極的な傾向がありました。

アウトソーシングのメリットは大企業だからこそ活かせるものだという誤解と「業種が限られる」という誤解が存在していたのです。会社内のキャッシュ(お金の流れ)だけに目が行くとアウトソーシングは実現されません。そして、アウトソーシングのデメリットばかりが弊害となって、アウトソーシングへの取り組みにあと一歩が踏み出せなかったのです。

  • アウトソーシングとは聞くけど結局なんなの?
  • アウトソーシングってどんなメリットがあるの?
  • アウトソーシングのデメリットもしっかり知っておきたい

アウトソーシングについて理解が及んでいないのは、ものすごくもったいないことです。ぜひとも、アウトソーシングについて理解を深めてもらいたいと思います。

アウトソーシングとは?わかりやすく解説

アウトソーシングとは?

アウトソーシングとは、簡単に言うと「社内の業務の一部を外部の企業に委託をすること」です。アウト(外部企業)ソーシング(資源活用)となります。

アウトソーシングの種類

大きく分けてアウトソーシングは3つの種類に分けることができます。

    • BPO
    • ITO
    • KPO

1つずつ簡単に説明します。

BPO(Business Process Outsourcing)とは、仕事の一部を外部企業に委託することであり一般的にアウトソーシングと言えば思い浮かぶ手法です。

ITO(Information Technology Outsourcing)は、BPOのIT版として考えればよいです。ITO自体あまり使われる言葉ではありませんが、導入する企業が増加しています。サーバの管理や社内のインフラ整備、パソコンの管理などを外部企業に委託することです。

KPO(Knowledge Process Outsourcing)は、更に専門性の高い分野を外部委託します。医療関係やビッグデータを活用した分析などが当たります。

アウトソーシングの立ち位置

当記事では、BPOのアウトソーシングモデルを中心に解説していきます。

アウトソーシングを説明する上で分かりやすい簡単な例は、社員食堂です。福利厚生の一環として食堂を取り入れている企業では、食堂を丸ごとアウトソーシングをしています。ランチのメニューを考えたりだとか、衛生面の管理をしたりだとか、食に関することをアウトソーシングして外部企業に任せてしまうのです。

社内食堂の例は大企業でしか採用されないものですが、アウトソーシングに規模が必要なわけではありません。中小企業でも今、アウトソーシングの導入検討が進められています。もう1つの例として分かりやすいのは、間接部門のアウトソーシングです。

経理業務や人事業務を外部の企業に委託することによって、社内の総務部門の人材をスリム化させることができ、社員は本来すべき重要な経営マネジメント業務に集中することができます。総務部門のアウトソーシングは中小企業で実施しても効果が出ますし、10人以下の個人事務所でもアウトプットのメリットを活かせます。

アウトソーシングは、業務効率化やコスト削減、生産性アップといった施策の中心に位置しているのです。

アウトソーシングと派遣の違い

派遣社員を活用することとアウトソーシングにはどのような違いがあるのでしょうか。

派遣社員の場合

派遣社員を社内で採用する場合には、派遣会社と労働派遣契約を結びます。派遣社員が働いた時間に対して対価を払うことになります。派遣社員に対しての業務引継ぎや労務管理は、派遣先の社員がマネジメントしなければなりません。

アウトソーシングの場合

アウトソーシングの場合は、業務委託契約になります。法律的は、「業務請負契約」か「準委任契約」になります。契約形態によって責任の範囲や納品物が変わります。派遣社員がアウトソーシング企業で働いている場合、発注元の社員が指示をすることはできません。(二重派遣になってしまうため)

一般的には、派遣社員よりもアウトソーシングの方が1人の単価で見ると高くなります。

アウトソーシングを略すと?

ごく稀にアウトソーシングを略して「OS」と言う人に出会うことがあります。しかしOSはアウトソーシング正しい略語とは言えません。アウトソーシングは略さずに「アウトソーシング」または「業務委託」として利用することが一般的です。

アウトソーシングのメリット

アウトソーシングのメリット

アウトソーシングには、様々なメリットがあります。今は大企業だけが意識するものではなく、中小企業でもアウトソーシングを積極的に取り入れています。アウトソーシングのメリットを5つにまとめてご紹介します。

①人材リソースを意識しなくてよくなる

業務をアウトソーシングすると、業務に関わる人材リソースを管理しなくてよくなります。人材リソースの管理は、アウトソーシング企業の役目になるためです。

アウトソーシングと派遣社員が大きく違うポイントで、誰かが辞めるからといって引継ぎの心配をする必要もありませんし、派遣社員の日々の愚痴に疲弊することもありません。

アウトソーシングでは、企業間で決められた料金設定があり、アウトソーシング企業の中で何人働いているかは関係ありません。誰が辞めるとか、引継ぎはどうするんだ、などを気にする必要がなくなるのは大きなメリットです。アウトソーシングをしなかった場合、採用や引継ぎに関わる時間は年間でかなりのボリュームになっているものです。

アウトソーシングを経験したことがある私が一番助かった事例をご紹介します。アウトソーシング導入前は10人の部署で10人分の「面談」「目標管理」「報告書確認」などが必要だったのですが、3人の社員とアウトソーシングの体制になったことで、間接業務が大幅に減少しました。

アウトソーシングの導入で体力的だけでなく精神的に楽になったのは正直かなり助かりました。間接業務が大幅に減少したことで、本来すべき業務に集中することができるようになったのです。

 

②専門的な分野を任せることができる

アウトソーシング企業に仕事を任せることによって、品質や生産性が向上するメリットがあります。アウトソーシング企業はその業務のプロですから、アウトソーシング前と比較して品質がアップするだけでなく、3日かかっていたものが2日で終わったりと生産性の向上も目に見えて分かるようになります。

例えば、経理業務をアウトソーシングすると、誤振込がなくなったり(品質アップ)、決算が早く締まったり(生産性アップ)するメリットを実感することができます。

③コア業務に集中することができる

コア業務に集中

コア業務とは、自社の発展や利益向上のために実施すべき重要な業務を指します。社員がすべきことは書類の整理や電話対応ではなく頭を使うコア業務になります。

経理を例にして考えます。経理にとってのコア業務とは「正しい決算処理」「企業発展の資金繰り」「売上・仕入管理」「利益の捻出や企画」などになります。

しかし、経理社員の多くが目の前にある定例作業に没頭して、本来すべきコア業務に時間を割くことができていません。これは頭を使う仕事よりも、手を動かす仕事の方が楽だからです。経理の中にある定例業務をアウトソーシングすることによって、社員はコア業務である「経営管理」に力を注ぐことができます。

営業部門であれば、テレアポや請求書発行業務をアウトソーシングすれば、営業活動に集中できるでしょう。工場であれば、運送業務や在庫管理業務をアウトソーシングするとコア業務に集中できるようになります。

④改善提案を受ける

専門的なアウトソーシング企業には、過去から蓄積された経験値があります。他社で実際に試したことがある業務改善のメソッドがたくさんあるはずです。アウトソーシングには、自社だけでは到底気付くことができなかった業務改善提案を受けるメリットがあります。

改善提案の中には、IT推進の話もあるでしょうし、他の企業を紹介してくれるパターンもあります。アウトソーシングに限らず、新しいジャンルの提案を受けることで、信頼関係は強固なものになっていくでしょう。

私の経験上、業務改善提案をしてくれる企業としてくれない企業はハッキリと分かれます。アウトソーシングの検討前には、アウトソーシング企業と良くコミュニケーションを取っておくようにし、企業や担当者の性格を把握しておくことが大事だと思います。

アウトソーシングを開始した時、何のトラブルもなくスムーズに進むことはありません。何かしらの課題というものが両者間に出てくるものです。だからといって「やらなければ良かった」と思うことはありません。(少なくとも私は聞いたことがありません)

アウトソーシングは最初にバタバタとするものだ、くらいの心構えでいましょう。導入期の後が大事で、じゃあこれからどのような対策を取っていくのか、アウトソーシング企業とWin-Winの関係になるにはどうすればいいのか、を一緒に考えていくことでお互いとても良い関係が築けるようになるのです。

⑤コストを下げることができる

アウトソーシングの経験が無い人が一番ピンとこないのが「コストが下がる」というメリットです。アウトソーシングをすることで、コストは確実に下がります。ピンと来ていない人は、コストをキャッシュで考えてしまっているからです。

例で説明します。あなたの部署には、時給2,000円の派遣社員が5名います。月に20日間働くとして、1か月のコストはおおよそ160万円としましょう。アウトソーシング企業の見積もり方法にもよりますが同じように1時間という計算をするのであれば、単価は2,000円の倍近くになります。仮に4,000円だとしたらコストは320万円になります。ただ、実際には320万円にはなりません。

1か月間の業務の波を吸収し、またその道のプロが改善しながら対応するため、せいぜい250万円くらいになるでしょう。それでも160万円と比較すれば高額になります。ここで勘違いしているのは、派遣社員の仕入額だけを見てキャッシュで比較をするとコストが上がったように見えてしまうことです。

◆派遣社員5名 : 160万円(実際には+間接費用←これを忘れがち)

◆アウトソーシング企業 : 250万円

実際のコストとは、社員の活動費/会社の運営費があります。事務所の家賃もあります。上記に説明したような、面談や目標管理にかかる時間も間接コストです。それら全てをひっくるめて考えると、コストが大幅に削減できていることが理解できるはずです。派遣社員の業務をアウトソーシングしたからといって、仕入コストだけに目を向けるのではなく、部署や会社全体でどのような効果があるのかを数値化するとコストが下がっていることを実感できるようになります。

私も経験がありますが、コストの考え方が浸透してくると、アウトソーシングの検討に限らず、社内の様々なところで生産性が向上して効率化されていくものです。この辺りの話は、またの機会に!

アウトソーシングのデメリット

アウトソーシングのデメリット

アウトソーシングはメリットが目立ちますが、当然デメリットも存在しています。アウトソーシングの検討前に知っておくべきデメリットを3つご紹介します。

①専門スキルが蓄積しない

社内食堂のようなアウトソーシングであれば、社員が専門スキルを持っておく必要はありません。しかし、経理業務や総務業務といった間接的な業務をアウトソーシングするると、社員が経理や総務の知識を持たなくなってしまいます。社員よりアウトソーシング企業の方が詳しくなってしまうことが起こるのです。

いざというとき社員の誰も対応できない状況を作らないよう、アウトソーシング企業と定期的なコミュニケーションを取り、誰でも分かるマニュアル作成を進めておくといいでしょう。

②社員が反抗する

業務をアウトソーシングすると、メリットで説明した「③コア業務に集中することができる」に対する反抗が起こりやすくなります。定例業務をアウトソーシングすることで、コア業務に集中できるようになりますが、これまで定例業務ばかりをやってきた社員は「何をしていいのか分からない」状態になります。

せっかくコア業務に力を注ぐことができる体制ができても、時間を余らせてはもったいないですよね。アウトソーシングする前に、社員の今後のキャリアパスをよく考えて、話し合う時間が必要になります。

③企業文化の共有ができない

アウトソーシングをお願いする企業は、自社とは違う企業理念を持っています。オンサイトといって、自社内にて作業をしてもらう場合、企業文化の共有がうまくいかない場合があります。社員同士はハートで会話しよう、という企業文化があったとしても、アウトソーシング企業はドライに対応する、などの例があります。

最初は違和感があるかもしれませんが、一緒に仕事を進めていくうえで企業文化はお互いに理解し合えるようになるものです。また、契約書についてはしっかりと結ぶようにしましょう。特に、アウトソーシング企業には機密情報が集まることもあります。外に漏れなよう、企業間での約束事はしっかりとしておきましょう。

アウトソーシングのまとめ

アウトソーシングのメリットとデメリットをご紹介してきました。アウトソーシングを導入する前にはやっておくべきことはいくつもあります。また、アウトソーシングをしてすぐに効果が実感できるわけでもありません。半年、1年と継続していくことで、アウトソーシングが手放せないサービスになっているはずです。