リーダーが組織をマネジメントする時には、メンバーに対して将来のビジョンを明確に伝えてあげることが求められています。
組織のビジョンが共有できていないと、部下のモチベーションは上がりませんし、マネジメントに大切な「組織の目標」も達成されなくなってしまいます。
マネージャーやリーダーから見て
- 部門内のコミュニケーションが不足してる
- 部下がバラバラに行動してる
こういった感覚を受けるのは、メンバーが組織のビジョンを認識していない前兆かもしれません。
本記事では、ビジョンの共有で部下のモチベーションを高める方法について解説します。
部門内のビジョンをどのように立てるか
まずは、マネージャーやリーダーが部門内のビジョンをどのように創造するのか、そのコツについてお伝えします。
①上層のビジョンを受け継いでいること
組織のビジョンは階層になっています。トップには経営理念があり、全社で立てた事業計画や3か年計画が存在しているものです。マネージャーは自部門のビジョンを設立するために、全社のビジョンを理解していることが必要不可欠です。
全社のビジョンが揺らいでしまうと、部門に落とし込むビジョンにつながらなくなってしまいます。部門のビジョンを考える時には、上層のビジョンを受け継いでいることを意識するようにしてください。
最初は自分がやりたいことをビジョンにするのが良いと私も思っていました。会社は会社、チームはチームだと。でも階層を意識しないといつかバラバラになってしまうものです。会社(組織)のビジョンをしっかりと踏襲することが重要だと気付きました。
②夢があるビジョンであること
ビジョンの粒度については企業の考え方によっても違うので一概には言えませんが、ビジョンは少し夢がある方がメンバーをマネジメントしやすくなります。部門ごとのビジョンを「スローガン」のように掲げている企業もありますよね。
ワクワクするようなビジョンを立ててあげた方が、メンバーは挑戦意欲が沸きやすくなります。自分たちを締め付けるようなビジョンはモチベーションを下げるだけで適していません。
また、長い文章で書いてしまうとビジョンが頭の中に残らなくなってしまいます。この辺りはセンスも必要なのですが、他社の事例などを参考にしてみるのも面白いとおもいます。
例えば、イオンのビジョンは以下のようになっています。
企業理念のもと、絶えず革新し続ける企業集団として、
「お客さま第一」を実践してまいります。
これが全社のビジョンになりますから、部門に落とし込む時には「お客さま第一」につながるようなものが理想的と言えます。
③覚えやすいビジョンにすること
ビジョンは覚えやすくする方が浸透しやすくなります。部門のビジョンよりも全社のビジョンの方が大事ではあるのですが、全社ビジョンとは少し違った形にするといいでしょう。
ラグビー日本代表が「ONE TEAM」を掲げていましたが、ビジョンはシンプルなものが理想的だといえます。ただし、シンプルすぎるとビジョンが明確ではなくなることもあるため注意が必要です。
ビジョンを浸透しやすくするためには
部門のビジョンが決まったら次はどのようにして浸透させていくかをマネジメントしなければなりません。ビジョンを決めただけでは道半ば、そのビジョンがあることでパフォーマンスが上がらなければなりません。
特に部下に対してはモチベーションアップの施策になっていることが必要です。ビジョンを浸透させるための方法をお伝えします。
見やすいところに掲示する
誰もが目にしやすい場所に掲げておくといいでしょう。全社ビジョンの下に部門ビジョンを貼っておくと、なお浸透しやすくなります。もし数値的な目標にリンクするようなビジョンであれば、進捗度合いを見せても面白いですね。
定期的に声に出す場面を作る
部門の朝会でビジョンを伝える場面を作るのもいいですが、朝会を実施していないような部門もあるかと思います。打合せの際や目標面談の時に、マネージャーが意識的にビジョンを声に出すようにするといいでしょう。
複数年のビジョンを立てる
単年のビジョンも変化に富んで面白いですが、例えば3年後を見据えたビジョンにしてみたり、毎年変えないような確固たるビジョンにしてみたりすると、浸透しやすくなります。毎年同じビジョンですから、部門内でのメンバーの気持ちが固まりやすくなります。
また、将来的な目標が明確になっていますから、部門の成長だけでなく個人としての成長にも活かすことができます。
ビジョンで部下のモチベーションを高めよう
マネジメントの目的は、組織が利益を出して社会に貢献することです。ビジョンを立てることで、部門内でのコミュニケーションが良化し、部下のモチベーションを上げることができます。
マネージャーはビジョンを簡単に考えるのではなく、悩みに悩んで生み出す方が重みがあります。自分の部門を表しているようなビジョンを掲げられるようにしてみてください。