一方で、最近はマネジメントに興味を示さない若いビジネスパーソンが増えています。
- リーダーは責任が重くて嫌だ
- 一人で仕事をしている方が気楽でいい
- そもそも出世なんてしたくない
一生涯、プレイヤーとして仕事をしていきたいと考える若者が増えている今、マネジメントの目的について改めて見直すべきではないかと思います。
マネジメントの反対はプレイヤーなのか?
マネジメントの反対語はプレイヤーなのでしょうか?私はそうは思いません。
個人としての能力を発揮してお客様と会社に価値を生み出す人がプレイヤーだとするならば、マネジメントをするリーダーにとっても同じことです。マネジメント能力を最大限発揮するリーダーは、個人の能力を発揮させている状態であり、個人の価値を生み出しているのです。
そもそもマネジメントに対義語があるとするならば「マネジメントしない」が反対語になるのではないかと思います。
マネジメントしたくない理由と背景
若いビジネスパーソンがマネジメント職を望まない理由と背景を考察します。
収入を上げる必要がない
車を必要とせず、お酒やたばこ、ギャンブルにも興味がない。もちろん会社の飲み会にも参加しない。
昔と比べて支出する機会が減ったことで、若者が収入を増やす必要性がなくなりました。生活の満足度の考え方が現在はシフトしているのです。幸福度と収入がリンクしない時代では、出世欲は生まれにくくなります。
リーダーが大変そう
マネジメントしながらプレイヤーとしても活躍している上司たち。いわゆるプレイングマネージャーが今の時代にはマッチしないのかもしれません。疲れた顔をしているリーダーを見て、同じようになりたいとは思わないものです。
人付き合いが面倒
個人で仕事をしていれば、他人に悩まされることがありません。もちろん、マネジメントをしなくても職場のメンバーとのコミュニケーションは重要であり、チームで仕事をする上で人付き合いは必要になります。
しかし、メンタルが弱っている部下を励ましたり、やる気がないメンバーを鼓舞したりする役目はやりたくありません。
マネジメントしたい人材の育て方
経験を積んだ40代~50代のビジネスパーソンは、いつまでもプレイングマネージャーを続けるわけにはいきません。経営に近い場所でマネジメントすることが会社の成長になりますし、経営層からのプレッシャーもあるでしょう。
マネジメント人材の育て方は簡単ではありません。地道なアプローチが必要だと思います。重要なのは、本人がマネジメントをやりたいと思えるかどうかです。「社命だから」は通じなくなっていることに気づかなければなりません。
マネジメント思考を育てるためのヒントを考えます。
マネジメントの楽しさを伝える
マネジメントしたくない人は、マネジメント経験が無い人が大半です。つまり食わず嫌いになっている場合があります。
マネジメントの楽しさや面白さ、そして何より仕事のやりがいを上司は伝えていかなければなりません。特に、収入には興味がないけれども仕事のやりがいには興味がある若者はたくさんあります。
仕事が楽しいと思えるようになれば、マネジメントの苦労があってもやりがいで補うことができるようになると思います。
リーダーは常に前向きに
若手育成の基本ですが、リーダーは元気で前向きに仕事に取り組みたいものです。若手社員は疲れたリーダーを見て、自分も同じ立場でマネジメントしたいとは思いません。
例えば、質問したいと思っても怖い顔をしていて話しかけにくいリーダーがいます。そんなリーダーを毎日見ていれば「大変そうだな。自分はあんな風にはなりたくないな」と思うのは当然のことです。
そんなこと言っても大変なんだよ、とマネジメント職の方から言われそうですが若手が育たないことの方がよっぽど大変です。早く自分の代わりにマネジメントできる人材が育った方が、リーダーは更に上のステップに進むことができるのです。
本音のコミュニケーション
部下との面談で1on1ミーティングに取り組む企業が増えてきました。部下とは本音で話せていますか?会社の形式上の話ばかりになっていませんか?
ハラスメントの文化が広がっているので、プライベートの話を持ち出しにくくなっているかもしれませんが、上司が自分を隠さずに本音で話すことが大切です。
まとめ:マネジメントの反対はプレイヤーなのか?
話が逸れてしまったような気もしますが、言いたかったことは、組織のマネジメントを最大限発揮させるためには、若手が個性を伸ばしつつもマネジメントをしたいと思うようになることだと思います。