これからはコスト削減に取り組まなければならない!と社長の大きな声が響いている企業も多いのではないでしょうか。
コロナの影響で業績が落ち込んでいる企業がとても多く、売上を伸ばすのが厳しい今は、コスト削減を効率的に進めていきたいものです。
コスト削減というキーワードがありきたりになりつつあり、何から手を付けていいのか分からないビジネスマンが増えています。
当記事では、コスト削減において、まず最初にやるべきこと、についてお伝えします。
※2020/1/25作成 ※2020/11/28編集
なんでコスト削減しなければならないのか?
コスト削減と言うキーワードが独り歩きしていると、本来の目的をついつい見失ってしまいます。あなたはなぜコスト削減に取り組むのですか?会社から言われたからですか?コスト削減に関する考え方をまずは正していかなければなりません。
コスト削減の結果、生まれた利益は自分たちに還元されます。
売上を上げることとコストを削減することは、営業利益という点においては同じことなんだ!という認識を持つべきです。
コスト削減の認識が変わるだけで取り組み方が変わります。
- コスト削減に前向きになる
- 新しいアイデアが生まれるようになる
- 周りと協力してコスト削減に取り組むようになる
まずは行動を起こすことから始まります。行動なくして、コスト削減は前に進みません。
コスト削減でまず最初にやるべきこと
コスト削減においてまず最初にやるべきこと、それは「やめること」です。やっている事をやめてしまうことが、最もシンプルであり、最大のコスト削減手法になります。
ではなぜ、「やめる」という方法が浸透しないのかというと、人間誰しもやめることに対しての恐怖心があるからです。新しい仕事が入ってきたことで、「できなくなった」という現象には不安を感じませんが、自ら「やめる」ことには抵抗が生まれるのです。
まずは、私の会社や私のお客様において、実際に「やめること」で実現したコスト削減事例をご紹介します。
①日報の廃止
ある企業では、営業日報を書いていました。毎日定時になったら日報を上司と関連部署のリーダーに出していたのです。日々の事なので決して長い文章ではありませんが、1通書くのに10分ほど要していたのです。その企業の営業部署には50名ほどいましたので、1ヶ月で166時間を営業日報に費やしていたのです。1人雇えてしまいますね。
これを止めるきっかけになったのは、上司も関連部署のリーダーも毎日読んでいなかったという事実です。急ぎの用事はLINEや直接電話をしていたそうなので、そもそもいらないということになりコスト削減を実現しました。
②会議の廃止
あなたの会社にも「定例会議」ってありますよね。その会議、週に1回必要ですか?月に1回でも同じことではありませんか?これもある企業において、週に1回の会議をその会社さんは2週間に1回の開催頻度に変えました。
実際に試してみて特に問題が無かったため、会社にある他の会議についても調べて廃止、または開催頻度を落としたのです。会議は多くの人が参加しますから会議1つ無くなるだけで大きなコスト削減効果が生まれます。正確な数値は聞いていませんが、かなりのコスト削減になったようです。
③承認ルートの見直し
見積を出す時に、上司を含めて5名の押印(承認)が必要であり、受注報告の際にも5名の承認が必要になる。こういった承認ルートを見直すことで、コスト削減を実現できます。5名も必要ですか?ということです。
承認する書類のタイプにもよりますが、多くの企業で「そうあるべきだ」と認識されてたくさんの人が承認をしています。内部統制のルールを見直して、承認者の人数(回数)を減少させてください。偉い人の人件費が減りますから、コスト削減効果も大きくなります。
「やめる」コスト削減で注意すべきこと
3つほど「やめる」コスト削減の事例をご紹介しました。他にもたくさんあると思います。頭の中をリセットして、あなたも探してみてください。
最後に「やめる」コスト削減で注意しなければならない事をお伝えします。例えば、朝のラジオ体操があります。ある会社では始業前に全員でラジオ体操をしていました。ラジオ体操の時間は『全社員×5分×毎日』で計算することができ、かなりのコストを利用しています。そこで、ラジオ体操をやめることでコスト削減効果を得たのですが・・・。
朝の体操を面倒だと思っていた社員もいましたから、みんなにも歓迎されたそうですが、体操をやめたことで朝一の仕事のスタートダッシュが切れない社員がたくさん出てきてしまったようです。ぼーっとした顔でデスクに向かっている社員を見て、ラジオ体操は1ヶ月も経たずに再開されたそうです。
このように一見コストだと見えているものでも、やめたことによる別影響が出るものがあります。大切なのは、実際にやめてみることと、やめた後の検証をしっかりとすること。
効率化におけるデメリットについての記事も参考にしてみてください。
まとめ:コスト削減の取り組みで最初にやるべきこと
聞きなれたコスト削減の言葉だからこそ、改めて考え方をシフトしてみてください。必死になって考えれば、新しいアイデアが生まれるはずです。今日紹介した「すぐにでもできること」を実施して、コスト削減の良い波が生まれることを望んでいます。