コスト削減ばかりで疲れた・・・。コスト削減がタスクの中でネガティブなイメージを持っているとやる気が出ませんし「会社が勝手に出した方針」と考えて協力する気持ちになりません。
コスト削減ばかりで嫌になっている人は、目先のことだけでコスト削減をしようと思っていませんか?コスト削減というキーワードはよく目にするけれども、コスト削減の本質的な概念について理解している人は少ないのが現状です。
コスト削減手法は無限にあり、業種・業界によって効果がある方法が違います。しかし、基本となるコスト削減の概念は同じです。
コスト削減に取り組む企業の方に向けてコスト削減の鉄板と言われている8原則についてご紹介します。最初から全てを網羅するのではなく、1つ1つ実践に移してみてください。コスト削減に取り組みながら自社に合ったプロセスを発見することが大切です。
- コスト削減①:作業をやめる
- コスト削減②:発生時点で処理をする
- コスト削減③:同時に処理をする
- コスト削減④:得意な人に仕事を任せてしまう
- コスト削減⑤:標準化する
- コスト削減⑥:廉価版にする
- コスト削減⑦:外部の業者を利用する
- コスト削減⑧:仕事をIT化する
- まとめ:効果的なコスト削減
コスト削減①:作業をやめる
コスト削減の基本中の基本が「やめること」です。社員は仕事を取られること、自分の手元から離れていくことを恐れています。海外では「ジョブ・セキュリティ」といって自分の仕事を守る行動のことを指します。
仕事は好きじゃないのに、自分の手元から仕事が奪われることは嫌なのです。誰かに仕事を引き継ぐ際に、全てを教えないようにする人も仕事を奪われることに抵抗している行動と言えます。
社員が持っている仕事を取り除くことは容易ではありません。しかし「勇気を持って」作業をやめてしまうところから考えてください。必要ならまた戻せばいいのです。
コスト削減ばかり考えるなら、いっそのこと無くしてしまえばいいのです。「やめること」はコスト削減ばかりの感情から解放されることになります。
「請求書発行業務をもっとコスト落とせない?」と上司に言われたら、「そもそも請求書発行止めません?」くらいの思い切った対策がもっとも効果的に働くのです。
コスト削減②:発生時点で処理をする
何人もの人に回覧される書類ってありますよね。見積の承認も請求書の承認も、いったいどれだけの人が見ればいいのでしょうか。
会議が終わってから作成する議事録もそうです。会議中に同時進行で議事録を作ってしまえば、会議終わりに見直すだけで完成させることができます。受発注業務がある会社では、注文が入った時点で配送スケジュールを抑えてしまえば、発生時点で処理を完了させることができます。
あとからまとめて作業をするのではなく、発生した時点で処理をすることを「発生時点処理」といい、作業のプロセスで発生するムダな作業を削減させることができるようになります。
以下のような作業は見直しをしてみるといいでしょう。
- 何人もの押印が必要なもの(見積書や請求書、報告書など)
- 提出したものが戻ってくる業務(Aさんに渡して、Aさんが加工して戻ってくる)
- 後日する意味が分からないもの(なぜか火曜日にする予定になっている、など)
コスト削減③:同時に処理をする
複数の処理を5日間に分けて実施しているのなら、1日間で5件分をまとめてやった方が効率的です。なんで同時に処理ができないのか、その理由を探ってみてください。案外、単純なことがネックになっているはずです。
請求書を15日に欲しい会社、20日に欲しい会社、25日に欲しい会社があれば、全部15日に送ってしまいましょう。送付先にお願いすれば納得してくれるはずなのに、得意先の要望だけに従っていてはコスト削減はできません。
仕事はWin-Winになることが基本です。得意先だけを見てサービスの展開をするのではなく、お互いにメリットがある業務フローを考えます。コストが下がればサービスは手厚くなり、結果得意先に貢献することができるようになります。
コスト削減④:得意な人に仕事を任せてしまう
冒頭で話したように、人は仕事を取られることに恐怖心があります。コスト削減ばかり周りから言われても仕事を手放したくありません。誰かに仕事を渡すことに抵抗がある人はたくさんいますが、社員それぞれが得意としている仕事のフィールドは違います。
上司は、部下の特性をよく見て、その業務を得意としている他のメンバーに集中化させるよう検討してみてください。コスト削減③の同時に処理をすることも、得意な人に任せることで実現させることができます。個性を活かすことは、デキるマネージャーに必須のスキルになります。
仕事を集中させすぎると属人化の課題が生まれやすくなります。
マニュアルを用意するなどバランスの取れたマネジメントが必要です。
コスト削減⑤:標準化する
簡単なことですが、同じ目的を持っているモノが違うフォーマットになっているなら標準化です。得意先に提出する書類もすべて見直しをしてみてください。フォーマットの数が減れば減るほど、コスト削減につながります。
人の業務も同じことです。AさんとBさんで目的は同じなのに仕事の内容が違うなら、ルール化して合わせてしまえばいいのです。業務を標準化することで、属人化を防ぐことにもつながります。
コスト削減⑥:廉価版にする
そんなに高いスペックのパソコンが必要ですか?複合機はもっと安い型番・メーカーのものがありませんか?営業さん全員がスマホを使っていますが、連絡を取るだけならガラケーでも大丈夫ではありませんか?
高機能なものを使いこなせていないか、または使い切れていないか、などをチェックして、それぞれ廉価版に切り替える検討をするコスト削減手法です。廉価版に切り替えることで、実際に出ていくお金が減りますからコスト削減の実感をより得やすくなります。
コスト削減ばかり言う上司が最新モデルのスマホを使っている。使いこなすことがないのなら、高いスマホこそ無駄です。直接言うわけにもいかないでしょうから「通信機器の見直し」として全体的な案として会社に提出してみるとよいかもしれません。
コスト削減⑦:外部の業者を利用する
鉄板4の延長ですが、外部の業者の方がその作業が得意なら外部の業者を利用してしまいましょう。アウトソーシングを活用することは、長期的に見たコスト削減につながります。外部の業者を利用できるところは利用し、自分たちにしか生み出せない価値に集中するようにします。
アウトソーシングのメリットデメリットは、以下の記事を参考にしてください。
コスト削減⑧:仕事をIT化する
ラストがIT化です。最近はITのリテラシーが高い社員が増えてきていますから、コスト削減の方法としてシステム化の検討をしがちです。IT化は最後の最後でいいのです。目の前にある鉄板7原則に当てはまらないものや、明らかに効率化されるものについては、IT化の検討をしましょう。
まとめ:効果的なコスト削減
コスト削減ばかりで疲れている人に、原点に戻ってコスト削減に取り組んでもらいたく記事をまとめました。コスト削減には、以下の8原則が効果的です。
- ①作業をやめる
- ②発生時点で処理をする
- ③同時に処理をする
- ④得意な人に仕事を任せてしまう
- ⑤標準化する
- ⑥廉価版にする
- ⑦外部の業者を利用する
- ⑧仕事をIT化する
1つずつ向き合ってみて、コスト削減の整理に役立てば幸いです。