仕事に慣れることはプラスの要素だけではありません。仕事で更なる成長をするためには、慣れからの脱却が必要です。慣れた環境で仕事をしている部下を成長させるために、上司はどのように慣れから脱却させればいいでしょうか。
当記事では『部下を成長させるきっかけを与える慣れからの脱却方法』をお伝えします!私がこれまでマネジメントしてきた中で、これから紹介する方法を試してまったく成長しなかった部下にはこれまで会ったことはありません。
仕事の慣れは怖い!
人は環境に慣れてくると、ずっとそこで過ごしたいという願望が生まれます。ストレスフリーの環境は心地よく、人生をハッピーにしてくれていると感じるからです。慣れた環境が怖いことに部下も薄々気づいています。そして、心の奥では成長したいと願っているのですが、慣れから抜け出すこともまた怖いと感じているのです。
慣れてしまった同じ難易度の仕事を継続していても部下は成長しません。部下に対して「まだこの仕事はできない!」と思っている上司がいますが、部下に成長してもらうためには新しい仕事を任せていかなければなりません。
慣れが怖いと感じている部下に対して、上司慣れから脱却させるきっかけを与えてあげることが必要なのです。
仕事の慣れから脱却させる方法5選
部下を慣れた仕事環境から脱却させるには、この方法がベストです。
インプットを変える
インプットが変わらなければアウトプットは変わりません。インプットが変わらなければ、変化は起こらないのです。
慣れが怖いと感じている部下を成長させるために、上司ができることがあります。日常の仕事の中で、上司が部下へのインプットを変えて慣れから脱却させてあげるのです。
インプットを変える方法を5つ、ご紹介します。
1.初めてお会いするお客様とのコミュニケーションの場を作る
お客様と長くお付き合いをしていれば、お客様の性格やタイプ、どこに仕事の価値を感じてくれているのかが分かってきます。提案書を持っていくタイミングも把握しているでしょうし、企画の内容に悩むことなく作り上げることができます。
長く付き合っているお客様との関係は、上司として安心して任せられる反面、部下の成長をそこで止めてしまっています。部下を慣れから脱却させるために、新しいお客様を紹介するようにしましょう。そして、1つでも提案や交渉の経験をさせるようにします。
部下は「今の仕事が忙しくてできません」と言うかもしれません。チーム内のリソースを整理して、他の人に仕事を渡してでも新しいお客様とのコミュニケーションを取らせるようにしてみてください。
最初は今のお客様から離れることが怖いと感じ抵抗があるかもしれませんが、新しいお客様とコミュニケーションが取れるようになると、部下に充実感が生まれます。実際にやってみたら刺激を受けてくれるのです。緊張感の中でインプットを変えて慣れから脱却し、成長への道を進むことができます。
2.外部研修を受けてもらう
外部研修は、他の企業の人とのコミュニケーションを取ることができる絶好の機会です。外部研修は費用も発生しますし、研修内容によっては複数日程になることもあります。そのため、年に1回でも十分です。
大事なのは、恒例の行事にしてしまうことです。年に1回でいいので、毎年外部研修を受けてもらうよう設定します。外部研修に来る他社のメンバーは他業種の人が多く、自分の仕事観を考え直すことができるチャンスになります。
他業種という意味では「異業種交流会」もその一種なのですが、私はあまりお勧めしません。異業種交流会は営業目的の参加者が多く含まれており、参加者はビジネスモードでコミュニケーションを取ってきます。
一方外部研修は、研修を通して心の扉を開く参加者が多く、純粋な情報(人間の素の部分)をインプットさせることができ仕事の慣れから脱却するきっかけを得ることができます。
3.企画書や提案書を作ってもらう
部下に頭を使わせるなら、企画書や提案書を作ってもらうと仕事の慣れから脱却しやすくなります。
企画書や提案書を作ったことがない部下の場合
過去にあなたが作った企画書や提案書を渡して目を通してもらいます。その時に自分が何を思って作ったのかを説明してあげます。
企画書や提案書のデザインを1から作ることは稀ではないでしょうか。元々あるものを参考にして、またはコピペをして作るはずです。インプットを変えるのは真似から入っても大丈夫です。
デザインや見せ方は既存のものを参考にするとして、何を相手に伝えたいのかに悩んでもらう方がいいでしょう。
最後はあなたが手直しができるよう、進捗は常にチェックしておく方がいいでしょう。
企画書や提案書を作ったことがある部下の場合
作ってもらいたいドキュメントの目的だけを伝えて、できるだけ最初から本人に考えさせるようにします。
あなたは、どのようなドキュメントが出来上がってくるのかをワクワクしながら楽しみに待てばいいのです。
ある程度期限をつけて進捗の確認をし軌道修正はしてあげてください。その時には、企画書や提案書を作成する目的がブレていないのかをしっかり確認してあげるようにします。
4.資格へのチャレンジを促す
資格は本当に良いインプットの変化になりますよ。直接的に仕事に結びつかないようなものでも資格試験にチャレンジすることが部下に変化をもたらします。
資格試験の良いところは、仕事中に勉強ができないことです。自宅や移動中の電車内で個人努力をして取得できるものです。資格試験は仕事に慣れている部下が新しい刺激を感じることができる良いツールです。
資格があるからって仕事ができるわけじゃないと思っているあなた、その通りです。それはそうなんですけど、資格を取得するとビジネスマンとして自信を持つことができるのです。
何か1つステップが上がったと部下が感じてくれれば、それだけできっかけになるのです。
5.社内でプロジェクト化させる
あなたの会社には「社内プロジェクト」がありますでしょうか。よくあるのは「働き方改革プロジェクト」や「若手で会社を元気にする会」などですね。いわゆる、間接コストを利用して会社を成長させるためのワーキンググループのことです。
部下に社内プロジェクトに参加させてあげると、新しいインプットを得ることができます。慣れた仕事の生産性を上げなければ社内プロジェクトに取り組む時間を作ることもできません。
もし社内プロジェクトがない会社、またはメンバー追加などができない場合は、新たにプロジェクトを立ち上げてもらいましょう。
非公認でもいいのです。
今の仕事以外に取り組むべき「目標」を持たせてあげることで、慣れから脱却して成長のきっかけを得ることができるようになります。
部下のチャレンジを認めてあげよう!
慣れから脱却させる方法をご紹介してきました。今回ご紹介した5つの取り組みは全て私が取り組んだことがある方法であり、全て効果がありました。※全員違う部下です
部下の性格や立場、今のスキルをよく理解してどの方法を選択するのかを検討してみてください!