お客様との商談や社内での会議において、ひたすらノートを取りまくっている人、近くにいませんか?情報を書き写すことが悪いとは思いませんが、ノートを取ることで「頭に入った」と勘違いをしている人が結構います。
新人教育の中で「ノートを取れ」とだけ伝えてしまうと、新人は書くことだけで満足をします。もちろん、新人の間は会議の内容を把握するのは難しいため書くことがメインにはなるのでしょうが、分からないキーワードを後で調べたり、話している相手が何を求めているのかを感じたりすることがこの先の成長につながります。
受験勉強でも同じじゃなかったですか?ノートに書いたからといって、頭の中に入っているとは限りませんよね?たくさんノートを使ったからといって、必ずしも偏差値が上がったわけではないはずです。
ここでは、ビジネスにおける業務効率化の観点から、ノートの取り方のコツをお伝えしていきます。
ノートに記録すべきこと
①数字を書く
商談や会議においてはじめて聞いた「数字」については必ず書き残すようにしましょう。あとから思い出そうと思っても数字だけは思い出せないことがほとんどです。
お客様との打ち合わせだったらこんなシーンです。
「チームのメンバーは今5人いて、御社が提案しようとしている話は、その中の3人が該当するかな」
「今年の売上は、昨年の97.5%くらいになりそうで、ちょっと厳しい状況なんです」
「半年に一回の棚卸は、3か所の倉庫で4人が担当、だいたい1人7時間くらいで終わるかな」
数字は次のビジネスにつながるための根拠になります。数字は必ず書き残しましょう。
②誰かに伝えるべきこと
その場で聞いた話を自分の中でとどめるのではなく、誰かに伝えなければならない内容であればノートを取るようにします。間違った情報を伝えるわけにはいきませんからね。
その際には、伝えるべき情報のポイントを絞って書くようにします。短時間の商談や会議であれば、その場でもメモをせずに、終わってすぐに3分ほどノートにまとめる時間を作ってみるのも良いでしょう。まとまった情報になりやすいメリットがあります。
ノートを取る時にやってはいけないこと
①下を見すぎる
ノートを取っている時は、相手の顔を見ていないことになります。ノートを取ることに必死になることで、相手の顔を見ずに話を聞いていることになってしまいます。
ずっと下を見ているなと感じたら、意識的に顔を上げて相手の目を見るようにしましょう。慣れてくると、下を見ずにノートが取れるようになりますよ。後で読めない時にならないように訓練は必要ですが・・・。
②資料に書いてあることをメモする
これ、よく若手社員がやってしまいます。配布されている資料に書いてあることをそのまま話している時、その話している内容をノートに書いているのです。資料に書いてあるのにノートに書き写す必要は全くありません。
冒頭で話したように、ノートに書くことで理解したと勘違いしているのです。資料に書いていないことをノートに書くことが重要であり、若手社員にこのような傾向が見えたら、上司の立場でノートをチェックして気付かせてあげましょう。
ちなみに。
私はあまりノートを取りません。みなさん、ノートって後でさかのぼって見ます?今回ご紹介したような数字とか重要な部分はメモを取りますが、ノートを取っていない時間は「相手が何を考えているのか」「その考えの背景は何なのか」に集中するようにしています。その方が有意義な時間を過ごすことができ、業務の効率化につながると思いますよ。