入社したばかりの新人は、資料を作成することが上手くありません。配属前に基本的な新人研修をしていたとしても、本番の現場で使う資料のクオリティには程遠いです。
仕事で使う資料は「生きた資料」になっていなければなりません。
資料作成能力を配属前の研修に頼るのではなく、配属先の上司や先輩が仕事を通してしっかりと教育しなければならず、また教育方法によってスキルに大きな差が出ることになります。
新人に資料作成を教育する時に確実に成長させるポイントを7つお伝えします。
①怒らない
冒頭話したように、新人は資料作成がうまくありません。やり方が分からないのですから、上手くできないのは当たり前のことなので決して怒ってはいけません。
新人は怒られることで委縮をしてしまい、資料作成を「怒られない資料」として作るようになります。上司の顔を見ながら資料作成をしていては、本当に伝えたい人に思いが伝わりません。
資料を作成する中で、新人が自分で考えるシーンを作ってあげるようにしましょう。上司からの指示だけではなく自分で考えるからこそ、後々の指導が身になっていくようになります。
新人教育がしんどいと思っていると、ついついイラっとして怒ってしまいがちです。今の時代は、ちょっと怒るだけでもパワハラと言われてしまいます。怒るのではなく注意すること、そこに意識を向けてください。
②誰に見せる資料なのか
資料を作成する時には、その資料を活用する人の立場に立って作らなければなりません。
新人は「作ること」を目的にして資料作成をする傾向にありますので「誰が」「何に」使うための資料なのか、その背景を伝えてあげることを忘れないようにしましょう。
特にお客さんに提出 する資料の場合、お客様のタイプやお客様が求めていることを合わせて伝える必要があります。
- お客様の業界を説明する
- お客様が何を求めているのかを伝える
- お客様に実際に紹介をする
資料作成をしている時にお客様が頭にイメージできるようになると資料作成のスキルはグンとアップします。
③誤字・脱字のチェック
新人は資料を作り上げることに集中するあまり、誤字脱字が多くなりがちです。完成したことで気を抜いて見直すことを疎かにしてしまうのです。
誤字・脱字を見つけたら、提出前に見直しをする大切さを教えてあげてください。また印刷のレイアウトが崩れていないかを完成前にチェックする癖をつけることも大切です。
誤字・脱字が減らない新人もいます。その場合、どこに誤字・脱字があるのかを伝えずに「再度見直して」と突き返すようにしてください。自ら気づくことが大事です。
④数字の重みを伝える
ちょっとした誤字・脱字であれば、本番でも許されるかもしれません。しかし、資料に掲載している数字については間違いが許されるものではありません。見積書が300,000円だったのに、請求書が3,000,000円になっていたらお客様からの信用を失います。
数字を間違えることによって、会社に大きな損害を出すことも考えられるのです。数字については資料作成の教育の中でも、どれだけ重要かを伝えておくことが重要です。
⑤図や表がズレていないか
エクセルやパワーポイントで作成する資料であれば、表のサイズや図形の位置などを細かくチェックしてあげます。本来、そこまで見なくてもいいところであっても、最初の教育段階ではチェックしてあげると「良い癖」を付けてあげることができます。
後で教育した内容と成果物に矛盾が起きないように「最初だから細かく指摘するからね」と伝えておいてあげると、新人も納得することでしょう。
新人が資料作成でよくやってしまうのが、画像の縦横比を変えてしまうことです。特にロゴなどの重要な意味を持つ画像については、正しい縦横比である必要があります。きれいに資料を作ろうとするあまり、スペースを埋めようと画像のサイズを変えることがあります。画像サイズを変更するときには、縦横比に注意して確認するようにしましょう。
⑥圧倒的な実力の差を見せる
「さあ、作ってみて」と言われても新人はどこから資料作成すればいいかの分かりません。
資料を作成する時には、既に存在している似た資料をコピーして作るのが一般的です。新人への資料作成教育においてもお手本となるテンプレートを渡してあげるようにしましょう。徐々に過去のどの資料をコピーすれば作りやすいか、自分で気づくようになるものです。
また、テンプレートを渡すときには自分が作成した資料の方がいいです。自分が作成した資料を渡すことで、資料作成のポイントを教育しやすいメリットがあります。
テンプレートというお手本を見せて、圧倒的な力の差を見せつけるのです。上司の立場であるあなたがスキルの差を見せることによって、新人はすごい人に教えてもらっている、と成長に対して前向きになります。
⑦成長を褒めるようにする
間違っていることはハッキリと指摘をすることが大切なのですが、成長していると感じたことに対しては褒めてあげるようにしてください。褒めるといっても、急にすごく資料作成がうまくなるわけではありません。
当初より変化を感じることがあれば「前より良くなってきたよ」と声をかけてあげるようにします。褒められることでモチベーションがアップするだけでなく、これまでに実施してきた研修がお互い間違っていなかったことを認識することができます。