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暗黙知とは?形式知との違いと事例について解説

暗黙知と形式知の違い

暗黙知を形式知に変換するナレッジマネジメントが各企業で注目を集めています。人の流動化が少なかった日本ですが、徐々に流動化が進み出し、ナレッジを埋没させることが企業リスクになると考えだしたことが背景です。

つまり、その人しか知らない知識を誰にも伝えずに転職してしまうことが大きなリスクになるということです。

暗黙知と形式知のキーワードはあまり耳にしないかもしれませんが、今後さらに重要な考え方になります。それぞれの違いについて理解し、企業リスクを少しでも減らすことの力になれたらと思います。

暗黙知と形式知の意味

暗黙知と形式知、それぞれの意味を確認します。後ほど、事例も紹介します。

暗黙知

他人に伝えるのが難しい知識のこと。

暗黙知とは、主観的で個人的な知識であり、言語化することが難しいものを指します。言葉だけでなく、図やグラフ、データなどで表現できないものも暗黙知です。

形式知

他人に伝えることができる知識

形式知とは、言語化、または図表化が可能な明示的知識であり、他人に伝えやすい状態の知識を指します。

参考程度に、暗黙知は英語で「Tacit knowledge」、形式知は英語で「Explicit knowledge」です。

暗黙知と形式知の事例

暗黙知と形式知の事例をゴルフで紹介します。

ゴルフのスイング

ゴルフを始める時、今はYouTubeにたくさんのレッスン動画が上がっています。本屋さんにもたくさんのハウツー本があるでしょう。それを読めば、クラブの握り方やスイングの方法が分かります。これが形式知です。映像や言葉で形にすることができる知識です。

一方で、ゴルフ経験者が人にゴルフのスイングを伝える場合。言葉でうまく説明できない場合があります。「こうするんだよ」と握り方くらいはアドバイスできますが、実際には相手のスイングを実際に見ながら悪いところを指摘するのではないでしょうか。

どれだけ本で学んでも、ボールがまっすぐ遠くまで飛ぶわけではありません。言葉では伝えきれない知識が暗黙知です。

ゴルフの初心者に対して「ゴルフの正しい握り方をしてください」と伝えれば、マニュアル本さえ読めば誰でもできます。しかし「ボールをまっすぐ飛ばしてください」と伝えて誰もができるとは限りません。練習や経験から学ぶことが多いため、いくら握り方が分かったとしても真直ぐボールを飛ばすことはできないのです。

ナレッジマネジメントと暗黙知

さて、ビジネスの世界の暗黙知となると何を指すのでしょうか。

暗黙知と形式知のビジネス事例

例えば、営業部に蓄積されているお客様の情報は形式知です。お客様の名前や電話番号、過去に購入してくれた商品の種類や価格などです。誰が見ても明らかな知識や情報なので形式知です。

しかし、お客様にどのように営業活動すればいいのかは暗黙知になります。お客様の担当営業にしか分からないお客様の趣味趣向や訪問すべきタイミングなど。言葉で伝えることができない、または伝えるのが面倒だと感じる知識が暗黙知になるのです。

  • 暗黙知とは、公開されずに属人化されている仕事とその内容
  • 形式知とは、誰でも同じ業務ができる仕事とその内容

ナレッジマネジメントでは暗黙知を形式知に切り替えていかなければなりません。

注目度が増しているナレッジマネジメント

暗黙知の情報ばかりが社内にあったらどうでしょうか?過去の経験値から学ぶべき大切な情報が企業のスキルへと変換されずに、捨てられてしまうことになります。そこが、ナレッジマネジメントが注目されている理由です。毎度毎度、日本は事の重大さに気づくのが遅いなと思うのですが、それもまた日本の魅力かもしれませんね。

暗黙知を形式知に切り替えることは容易ではありません。何度練習してもゴルフのボールをまっすぐ飛ばすことが難しいように、社内にある知識を誰もが扱えるようにするわけですから。しかし、冒頭話したように人材の流動化はこれからも進んでいきます。面倒だからとか難しいだからと言ってナレッジマネジメントに取り組まないことは、企業の大きなリスクとなるのです。

まとめ:暗黙知と形式知

全てを言葉や図表で表現できる世の中ほど面白くないものはありません。言葉にできない暗黙知があるからこそ、人の魅力は出てくるのだと思います。

しかし、会社のように一定条件で限られた空間の中においては、暗黙知が適さないわけです。埋もれてしまう情報が無いように、自ら持っている情報は形式知にしていく必要がありますね。