ビジネスでは、部下の行動を承認することが効果的です。承認することで部下の成長を促すことができ、組織力向上につながります。
マネジメントでも重要な承認について解説します。
承認とは?
ビジネスで利用する「承認」とは、部下の行動を認めてあげることです。チャレンジした事象や目標に向かって努力をしている姿を受け取り、上司としてメッセージを伝えてあげます。
承認された部下はモチベーションが高くなり、仕事へのやる気が高まります。承認された行動は継続しますし、また新しいチャレンジができるようになります。
承認は英語で「Acknowledgement」アクノレッジメントと言います。申請された書類を受け取ることも承認と言いますが、当記事では部下を育てるコーチングの面で承認の解説をします。
承認することと褒めることは違う?
部下は褒めて育てるべきだ、と考えているビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。今の時代、叱ることで仕事が嫌になる部下もいますしハラスメントの問題も潜んでいます。
一方で、ただ褒めるだけでは不十分です。承認することと褒めることは、似ているようで少し違います。その違いに気づいている上司が部下を成長軌道に乗せることができると言えます。
例えば、こんな褒め方をしている人、いませんか?
「この前の資料、めっちゃよかったよ」
これは「承認する」ではなく、ただ単に「褒めただけ」です。
褒めることと承認することは似ていますが、受け取られ方には大きな違いがあります。部下は褒められることを求めているのではなく、承認してもらうことを求めているのです。大事なことなのでもう1回いいます。
部下の指導は「承認する」ことが基本になります。
承認メッセージの例
いくつか、承認するときに声をかけてあげる事例をご紹介していきます。
「この前の資料の最終ページ、これまでの経験が反映されている内容になってて相手の心に届いたと思うよ」
「今のあなたなら、この仕事を任せられる。とりあえず、自分でドラフトを作成するとこまでやってみて」
「あのやり方は私ではできないよ。どうやって調べたの?」
いかがでしょうか。これらのメッセージは、起こった結果にだけ使っているわけではありません。部下が取り組んだプロセスについて認めているのが分かると思います。
プロセスを認めてもらうと持続的なモチベーションの向上が起こります。場合によっては、プロセス承認だけをしていれば部下が自ら努力をし、自然と成長をしてくれる場合もあります。それだけプロセス承認には、部下の教育や指導に強い効果を発揮するのです。
部下の存在を認める、ということに意識をするとマネジメントに悩んでいる人も部下とのコミュニケーションが良くなり、組織としての成果を出すこともできるようになります。
簡単なアクノレッジメント
承認の事例よりももっと簡単な承認方法をお伝えします。
部下の行動をそのまま伝える
部下が自発的に動いてくれないと悩んでいる上司の方は、是非とも試してもらいたいと思います。ただ部下の行動を見て、そのまま言葉にして伝えるだけです。とても簡単でしょう?
待ち合わせに遅刻せず来た部下に「ちゃんと間に合ったね」
期限内に資料を完成させた部下に「スケジュール通りだね」
オフィスのゴミを拾っている部下に「ごみを拾ってくれてありがとう」