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コンセプチュアルスキルとは?これから求められる概念化能力

コンセプチュアルスキルとは?

コンセプチュアルスキルは、マネージャーやリーダーだけでなく一般社員にも求められる重要なビジネススキルです。本記事では、コンセプチュアルスキルとはどのようなスキルか?コンセプチュアルスキルを高めるとどのようなメリットがあるのか?について解説します。

※2020/3/12 作成 2021/3/25 更新

 

 

コンセプチュアルスキルとは?

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コンセプチュアルスキルとは、知識と情報を集めて物事の本質を見極め、最適な答えを導き出す能力のことをいいます。コンセプチュアルスキルを和訳すると「概念化能力」となります。

コンセプチュアルスキルをわかりやすく言うと「本質を見抜く力」です。そのため、経営者やマネージャーだけでなく一般社員にも求められるスキルであり、高めることができればビジネススキルの底上げにつながります。

コンセプチュアルスキルを鍛えるとお客様の課題やニーズの本質を見極めることができるため「刺さる提案」ができるようになります。また、自社がこれから取り組むべきビジネスモデルを俯瞰して検討できるようになります。

マネジメントにおいては部下が考えていることが理解できるようになり、仕事の生産性をアップさせるアイデアを指示できます。部下とのコミュニケーションに課題があると感じているリーダーにもコンセプチュアルスキルは活用できます。

コンセプチュアルスキルは、これからリーダーを目指す若手社員にも高めて欲しいスキルです。

管理者に求められる3つのスキル

コンセプチュアルスキルを世に広めたのは、アメリカの経営学者であるロバート・カッツです。ロバート・カッツが提唱した管理者に求めるスキルのことをカッツモデルと言います。

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ロバート・カッツは、会社から求められる責任が重くなるににつれ、コンセプチュアルスキルが求められるようになると説いています。

一方で、コンセプチュアルスキルは経営層だけに必要なスキルではないことが分かります。割合こそ違いますが、ローワーマネジメント層にも必要なスキルですし、一般社員が早くにコンセプチュアルスキルを高めることができれば、自身が成長するだけでなく企業に利益を生み出します。

ロバート・カッツが提唱した管理者に求められる3つのスキルについて簡単に解説します。

テクニカルスキル(業務遂行能力)

業務を遂行するために必要な専門的な知識のことをテクニカルスキルと言います。経理社員なら会計の知識ですし、システムエンジニアならIT関連の知識を指します。ビジネスの基礎となる能力です。

ヒューマンスキル(対人関係処理能力)

ヒューマンスキルは、お客様に対してだけでなく部下のマネジメントにおいても重要なスキルです。

ヒューマンスキルを分解すると以下のようになります。

  • コーチング能力
  • ファシリテーション能力
  • ネゴシエーション能力(交渉力)
  • プレゼンテーション能力(提案力)

ヒューマンスキルはこれだけではありませんが、総称してマネジメント能力と認識しても相違ないでしょう。

コンセプチュアルスキル(概念化能力)

物事の本質がどこにあるのかを見極めて、分析・提案できる能力です。更にコンセプチュアルスキルには、構成する14の要素があります。

コンセプチュアルスキルを高めるメリット

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コンセプチュアルスキルを高めることができれば、ビジネスで様々なメリットを得ることができます。

  • お客様のニーズを把握することができる
  • 新しいビジネスモデルを構築することができる
  • 組織をマネジメントできるようになる

お客様のニーズを把握することができる

コンセプチュアルスキルで物事の本質を見極めることは、お客様が考える本音を知ることがです。

昔は「○○が欲しい」と明確にモノを欲しがる時代であったため、取引先のニーズ把握が容易でした。お客様が欲しがっているモノが明確ですから、安くて品質が良いものを作ればよかったのです。しかし最近のお客様は「何が欲しいのか分からない」状態に陥っています。欲しいものが分からないわけですから、こちらからお客様が求めているものが何なのかを探らなければならないのです。

コンセプチュアルスキルを鍛えると、雑談の中からお客様が考えていることが見えるようになります。こちらからの提案をお客様が聞いて「そうそう、そういうものが欲しかったんだ」と反応してくれるほど嬉しいことはありませんよね。

新しいビジネスモデルを構築することができる

コンセプチュアルスキルが高い人は、これからの社会がどう進むか見えるようになります。決して予知能力ではありません。

様々な情報を組み合わせて先々を分析した結果、次にどのようなニーズが生まれるのかが見えてくるようになるのです。

先の社会が見えることで、会社に新しいビジネスモデルを生み出します。つまり、イノベーションを引き起こすためのセンスがあると言い換えることができます。

  • どうやったら営業成績をアップできるのだろう
  • チームの生産性をアップさせるアイデアが思いつかない

こんな悩みとはおさらばです。仕事がものすごく楽しくなりますよね。

組織をマネジメントできるようになる

リーダーやマネージャーになれば、マネジメント能力が必要です。

組織を形成する中で、各々の個性を見極めて「最高の組織」を作り出せるようになるのがコンセプチュアルスキルです。メンバーが持っているスキルを見極めて、組み合わせたらどのような相乗効果が出るのかを把握することができるのです。

組織形成というと経営者だと思うかもしれませんが、小規模のプロジェクトにおいても必要なスキルになります。つまり、これからリーダーを目指す若手社員にも必要なスキルだと言えます。

コンセプチュアルスキルを構成する14の要素

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これからコンセプチュアルスキルを構成している14の要素について簡単に説明します。

1.ロジカルシンキング

ロジカルシンキングは、論理的に物事を考えることができる能力のことです。ニーズや課題の整理が早く、話している言葉に説得力が生まれます。ロジカルシンキングでは、うまくいかなかった時にプロセスを分析して次にどうすればいいか分かるようになります。

2.ラテラルシンキング

ラテラルシンキングとは、水平思考のことです。過去の経験や社会の常識に縛られることなく、自由な発想をすることができる能力です。状況に応じて頭の中をリセットすることができる能力とも言えます。

ラテラルシンキングを高めれば、視野が広がり、コンセプチュアルスキルの向上につながります。

3.クリティカルシンキング

クリティカルシンキングとは、批判的思考のことです。物事を批判して見た後、課題を抽出し解決策を見つけ出す能力です。文句をよく言う人というよりも批判的な視点から分析力をすることに長けている人、というイメージの方がマッチします。

4.多面的視野

1つの課題に対して複数のアプローチ方法を検討することができる能力を多面的視野といいます。見方の角度を変える考え方は様々なビジネスシーンで役立ちます。

5.柔軟性

状況に応じて臨機応変に対応することができる能力がコンセプチュアルスキルでは求められます。頭が柔らかくなければコンセプチュアルスキルは活かせません。柔軟性の高いブレインを求めています。

6.受容性

柔軟性に近い意味を持っている受容性ですが、新しい環境や見たことがない現象をすんなりと受け入れることができる能力を指します。固定したお客様との付き合いが長くても、新しいお客様の考え方を受け入れることができるスキルです。

7.知的好奇心

知的好奇心が高い人は、新しいことや未知なことに興味があり、まずはやってみたいと行動を起こします。見たことがないもの、知らないものが気になることはビジネスでプラスに働きます。行動力があり常にアンテナを張っています。

8.探求心

探求心とは、自分が納得するまで調査・分析をし、結果が出るまで追い続けることです。コンセプチュアルスキルには、物事を追求する探求心が求められます。

9.応用力

身についているスキルをうまく組み合わせて工夫をし、別の業務に活かすことができる能力です。例えば、転職をする際に応用力がある人は過去の経験で得たスキルを新しい環境で活かすことができます。

10.洞察力

物事の本質を見極めることができる能力です。洞察力は、マネジメント力をアップさせるためにも重要なスキルです。洞察力が高い人は、コンセプチュアルスキルを鍛えやすいです。

11.直感力

自分の直感を信じ、その場で判断して対応することができる能力です。特にリーダーになれば、自分の判断した道を信じなければなりません。

コンセプチュアルスキルと聞くと「分析」のイメージが強いですが、直観力や判断力も構成要素の1つです。

12.チャレンジ精神

チャレンジ精神を持っている人は、経験したことが無い仕事や新しい仕事に対して、失敗を恐れずに挑戦します。言葉としてはよく聞きますが、実際にチャレンジする時には恐怖や不安がつきまとうものです。

13.俯瞰力

広い視点で物事を捉え、進行中の業務が全体のプロセスにおいてどの位置にあるか把握する能力が俯瞰力です。お客様の課題を認識する際にも俯瞰力があることで、見えなかった課題に気付くようになります。コンセプチュアルスキルを用いて課題を組み立てやすくなるのです。

14.先見性

先見性とは、今起こっていることを冷静に分析し、将来どのような結果をもたらすのかを考えることができる能力です。センスのように感じるかもしれませんが、鍛えることができるスキルです。

 

 

コンセプチュアルスキルを高めるためには?

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コンセプチュアルスキルは先天的に持っている能力と言われることがあります。地頭が良い人は、既にコンセプチュアルスキルを保持している、これはこれで正しいと思います。

しかし、コンセプチュアルスキルは意識して訓練することで高めることができるスキルです。また先天的に能力が身についている人もビジネスで活用しようと思ったら意識的に鍛えなければなりません。

コンセプチュアルスキルを高めるための方法をお伝えします。

14個のスキルを一つずつ伸ばしていく

コンセプチュアルスキルを高めるためには、構成する14個のスキルを一度に鍛えるのではなく、1つ1つ着実にスキルアップさせていきます。

コンセプチュアルスキルを効率的に鍛えるためには、苦手なスキルから取り組むことをお勧めします。なぜなら、管理職になれば14個のスキルのうち他の誰にも負けないスキルが1つはあるからです。

得意なスキルは日常業務の中で意識的に高めることができます。自分が得意なスキルを把握して、スキルアップに取り組んでいきたいものです。

成功体験と失敗体験を増やしていく

過去に様々な成功体験や失敗体験をすると、スキルの引き出しに蓄積されていきます。その場の感覚で判断しているように見えるリーダーは、過去の経験と実績から判断をしています。

現状に満足している人はコンセプチュアルスキルを高めることはできません。

感覚を研ぎ澄ますためには日々チャレンジをします。失敗を恐れることなくチャレンジすることで、インパクトのある経験に出会うことになります。感覚を研ぎ澄ませよう!と思う前に、身近にある難易度の高い仕事に自ら手を挙げてチャレンジするようにしましょう。

なんでだろうと振り返る

1つのプロジェクトが終わった時でもいいですし、日常の仕事でも構いません。「なんでだろう」と後からプロセスを振り返る癖をつけるようにしましょう。

コンセプチュアルスキルの背景には分析する力があります。1つ1つの仕事のプロセスを分析することによって、探求心を鍛えることができ、なんでだろうと深く見ることでロジカルシンキングが身に着きます。

結果だけを見ないことが大事です。コンセプチュアルスキルを身に着けたい人は、プロセスに目が行くようにしましょう。

 

 

部下のコンセプチュアルスキルを鍛える

部下のコンセプチュアルスキルを鍛える

コンセプチュアルスキルの重要性が分かれば、次は部下にもコンセプチュアルスキルを身に着けてもらいましょう。コンセプチュアルスキルを鍛える方法を3つに分けて解説します。

①コンセプチュアルスキルの概念を伝える

まずは、コンセプチュアルスキルの概念を部下に教える必要があります。言語化することにもメリットがあるのです。

自分の頭の中では分かっていても人に伝えるとなると簡単ではない。コンセプチュアルスキルの概念を誰かと教諭することで、お互いに身に付きやすくなります。

②仕事の目的を教える

仕事を作業として教えるのではなく「なんでこの仕事をする必要があるのか」を伝えるようにします。

✖ A4サイズで1枚に収まるように価格表を作ってください

〇 営業さんが金額を追加して店舗に配布しやすい価格表を作ってください

上記の依頼方法に違いがあることが分かりますでしょうか。

求められている成果物は同じなのですが、〇は目的を教えているため、A4サイズで1枚に収まるように自分で考えて作らせようとしています。

×のパターンは、ただ指示をしているだけなので、部下が自分の頭で考える機会を失っています。

仕事の目的が何なのかを伝えるためには、仕事を客観的に見なければなりません。自分の視点を少し上にあげていくこと、これがコンセプチュアルスキルをアップさせることにつながるのです。

目的やビジョンと仕事を結びつけることができれば、部下の成長は自走していきます。コンセプチュアルスキルとスキルアップが相互に結び付き、部下が成果を出す姿は上司として嬉しいものです。

③なぜその仕事をするのか質問する

同じように、新人や後輩がしている仕事に対して時折「なんでその仕事をしているのか」を確認するようにします。この問いかけを続けていると自分でも分からないことが出てくるはずです。

  • あれ?この仕事ってなんでやってるのだろう?
  • そもそもやらなくてもいい仕事では?
  • もっといい方法があるのでは?

人とのコミュニケーションから気づきを得ることができ、気づきはコンセプチュアルスキルの基礎になります。

まとめ

コンセプチュアルスキルについて解説をしてきましたがいかがだったでしょうか。

最後に話したように、コンセプチュアルスキルは訓練をすれば必ず身に着けることができるスキルです。どれだけ高い意識で仕事をすることができるかが重要なのです。

コンセプチュアルスキルが身に着けば、仕事がとても楽しくなります。お客様とも部下ともよい関係を築くことができ、マネジメント能力を高めることにつながっていくのです。