部下とのコミュニケーションに悩みを抱えている上司はたくさんいます。部下とコミュニケーションができないとマネジメントが機能しなくなります。
- 部下に伝えたいことが伝わらない
- 部下が指示通りに動いてくれない
- 部下に話しかけても返事が暗い
このような悩みを持っている上司の方に読んでいただきたい内容をまとめました。
私は、リーダーになりたての頃、部下とのコミュニケーションが苦手でした。リーダーになってからコミュニケーションについて試行錯誤しながら学んでいき、マネジメント力を磨きました。
当記事では、私が実体験で学んだ部下とのコミュニケーションを円滑にする方法を3つお伝えします。どの方法もすぐに実践できるものなので、ぜひとも試していただきたいです。
部下とのコミュニケーションがうまくいかない理由
部下とのコミュニケーションが難しい要因は「そもそも違う人間」だからです。最初から心と心が通じ合わないのが普通だと考えましょう。
部下とうまくコミュニケーションが問題なく取れていると思っている人は、部下が本当に何のストレスもなくあなたと付き合っているかを考え直してみてください。「部下とはうまくやっている」と安心している上司に限って「会社を辞めようと思います」と唐突に部下から辞表をだされたりするものです。
部下とのコミュニケーションは、そもそもうまくいかないのが前提です。
あなたが部下とのコミュニケーションで悩んでいることは当然のことであり、ビジネスパーソンの中には同じ悩みを抱えている人がたくさんいます。
コミュニケーションの取り方は相手の性格によっても違います。だからこそ、いろいろなコミュニケーションの取り方を試していただきたいと思っています。私も部下とコミュニケーションは相手によって対応方法を変えていますし、何年経験をしても、毎回苦労するものです。
部下とのコミュニケーション不足が解消することで得られる3つのメリット
部下とのコミュニケーション不足が解消すると得られる3つのメリットは、以下のとおりです。
- 部下の成長につながる
- 部下の離職を防ぐ
- 仕事の成果が出やすくなる
部下の成長につながる
部下とのコミュニケーションでは、ただ褒めるだけではなく、時には叱り、時には一緒に苦しみます。上司の対応によって、部下は気持ちよく仕事ができるようになり、新しいことにもチャレンジしていきます。
部下の離職を防ぐ
部下とのコミュニケーション不足が解消されれば、上司に悩みを相談しやすくなります。上司が積極的に解決に動けば、問題や課題が放置されることはなくなり、仕事が辛いと感じることが少なくなります。
仕事の成果が出やすくなる
仕事はチームで推進するものです。上司と部下のコミュニケーションが円滑であれば、仕事も円滑に進みやすくなります。
部下とのコミュニケーションを円滑にする5つの方法
部下とのコミュニケーションを円滑にする5つの方法は、以下のとおりです。
- 1.組織の文化や体質を見直す
- 2.部下にスケジュールを共有する
- 3.話しやすい雰囲気をつくる
- 4.自分の失敗談を話す
- 5.褒める、承認する
1.組織の文化や体質を見直す
「組織の文化が古い」と部下が考えていると、上司とのコミュニケーションが悪くなりやすい傾向があります。部下は、会社の考え方が古いということを1つの武器として持っていることになるのです。言い訳できる道を作っているわけですね。
仕事で失敗をしたり、自分が成長できなかったりすることの要因ですら、会社の文化が古いからだという事実(もしくは思い込み)に逃げ道を作る場合があります。組織の文化や体質を変えることは容易ではありませんが、あなた自身が会社の古い文化に染まっていないかを見直すことはできるはずです。
例えば、以下のような事例があります。
ある企業では、10年以上前から日報を上司にメールすることが必須となっていました。1日の仕事の内容を上司にメールをしてからでないと帰宅をしてはいけないことになっていたのです。全社員がそれをルールだからと毎日実施しており、日報を受け取っている上司の立場の人も当たり前のことだとずっと思っていたのです。
しかしある日、「日報とかなくても次の日の朝会で情報共有すれば同じことでは?」と思って1人の上司が自分のチームで日報を廃止したのです。
廃止した結果、帰る間際の余計な仕事が減り、また朝会で報告するときにチームで情報共有ができるようになりました。何より、その場で上司としてアドバイスができるようになったので、自然とコミュニケーションが円滑になっていったのです。
あなたもまずは、自分の会社の文化や体質を俯瞰して見る、そして自分が染まりすぎていないかを確認してみてください。部下のほとんどは、文化が古いと思っていても、上司に「止めましょう」とは言えないものです。
上司が変化を起こす時なのです。小さなことでも変化を起こすことができれば、部下のあなたに対する評価も変わっていくはずです。
2.部下にスケジュールを共有する
スケジュールの共有は、上司と部下のコミュニケーションを円滑にしやすくなります。上司が何の仕事をしているのかを部下が知ることで、仕事の一体感が生まれます。また、上司に相談しやすいタイミングを部下が把握できるメリットがあります。
スケジュールの共有ツールが導入されていない場合は、朝のショートミーティングや部門でスケジュール共有できる施策を試してみましょう。
3.話しやすい雰囲気をつくる
上司が話しかけにくい雰囲気を出していては、部下とのコミュニケーションは円滑になりません。難しい仕事をしているときでも、心に余裕を持てるように振舞いましょう。
上司から積極的にコミュニケ-ションを取っていれば、部下も相談しやすくなります。話しかけられた時には作業を止め、部下の目を見て話しを聞いてあげるようにしましょう。
4.自分の失敗談を話す
部下が「入社して3年目の若手社員」であれば、あなたにも同じように3年目の若手の時期があったはずです。上司だからしっかりしなければ!と思うことは決して間違いではありませんが、変にカッコをつけすぎて背伸びをすることは、コミュニケーションの邪魔になります。
部下とのコミュニケーションを円滑にする方法、それは自分の失敗談を部下に話すということです。その失敗が大きければ大きいほどいいでしょう。
部下はあなたの失敗談を聞き、これまでにたくさんの苦労をしてきたことを実感します。また、怖くてチャレンジできなかったことにも、失敗を恐れずに挑んでいけるようになります。失敗談を話すときはできるだけ大げさに話をして、笑えないような出来事だったとしても笑い話のように話すのがコツです。部下との距離は確実に縮まっていきます。
失敗談を話すことのメリットはもう1つあります。
過去に失敗をした時のことをもう一度自分で思い出せるということです。その時に周りで誰がサポートしてくれましたか?どのような対策でその場を乗り切りましたか?思い出してみると、手を差し伸べてくれた人との思い出も蘇ってくるはずです。
そして今、あなたは手を差し伸べる側にいるのです。部下とのコミュニケーションを円滑にするために、上司としての役割を見つめなおす良い機会になります。
5.褒める、承認する
褒められて嫌な人はいません。上司の中でも、褒めることで部下が甘い人間になってしまうと頑なに褒めない人は確かにいます。しかし、良い行いをしたり仕事で成果を出したりしたときには、上司がしっかりと褒めてあげてください。ここで1つ気を付けなければならないのが、褒めるってどういうこと?ということです。
正確には、「褒める=承認する」ということです。部下が行ったことに対して、認めてあげるのです。例を出しましょう。部下が仕事で受注を取ってきたとします。
「おめでとう。よくやった」だけでも確かに部下は喜ぶでしょうが、その場限りのことになってしまいます。承認するということは、「あなたの○○の行為がよかったから、受注に結び付いたんだ。これは私だけでなく、チームとしても会社にとってもうれしいことだ」といった感じですかね。
部下がこれまでに行ってきた行為自体を認めてあげることで、部下は仕事にやりがいを見出すことになります。その中で、自分のことを認めてくれる上司が近くにいることを心強く感じるようになるのです。何か困ったことがあれば相談しよう、また認めてもらうように頑張ろう、という好循環に入ります。
まとめ
部下とのコミュニケーションを円滑にする方法の中でも、特に重要な5つにまとめました。部下とのコミュニケーションで失敗した事例はたくさんあります。上司から積極的なコミュニケーションを取るようになれば、失敗しても気にする必要はありません。
コミュニケーションはちょっとした勇気と時間があれば、誰にでもチャレンジできることです。今日から早速、部下との積極的なコミュニケーションを取っていきましょう。